"The more you know,the less you need."(知れば知るほど、必要なものは少なくなっていく。)・・・・・・・・・・・・・
 
フィラデルフィア
何時間眠ったか分からない。気がつくと夜は明けていた。チェックアウトをすませタクシーでPenn Sta.へ。そこからメトロライナーでフィラデルフィアへ。少し遅れ気味でフィラデルフィアに到着した僕をバーバラは待っていてくれた。彼女とは前年に知り合った。たまたま地元フィラデルフィア・インクワィアの編集者として勤務する彼女は全米の新聞記者・編集者と共に日本に取材にきていたのだ。運良く仲良くなる機会を得た僕は、厚かましくも彼女の好意に甘えここで2週間お世話になることになった。

僕の初めての海外生活がたった3週間だけどスタートした。編集者である彼女は夕方仕事にでかけ、帰宅は深夜というハードワーク。僕とはすれ違いの生活。彼女はシングルで家族は猫だけ。毎日僕は2両編成のバスに乗ってダウンタウンに出かける日々がスタートした。夕方帰ると一人で夕食。でも彼女は週末とバカンスを前借りしてくれ僕をいろんなところへ連れて行ってくれた。大リーグの試合、国立公園、新聞社の仕事場、彼女が思いつくであろうところ全てに…。そう、まるで息子のように遠慮なくさりげなく…。人種も違い血も繋がっていない僕を…。

知らない人はアメリカを自由の国、実力社会で実力がものをいうと思うかもしれないが、アメリカこそコネクションの国であり、れっきとした差別が依然として残っている。そういう中で、ジャーナリストという立場を差し引いても異国の人間に親身になってくれるバーバラという素晴らしい人と自分は出会ったのだと思った。

あっという間に予定の滞在期間は過ぎ、フィラデルフィア最後の夜、彼女はこういってくれた。「アメリカでもう少し生活する気があれば、また戻ってきなさい。そしていつでも我が家を使いなさい」と…。今の僕だったらすぐにでもふたたびアメリカの大地を踏んだに違いない。でも当時の僕はそこまでお金がなかった。勇気がなかった。恐かったのかもしれない。今、自分は日本にいてサラリーマン生活。でも18歳の夏、ほんとに自分一人で何もかも計画して単身アメリカに渡ったこの経験は自分の千里眼としては間違っていないと思っている。

そう、あのひと夏の経験が僕を一皮もふた皮も成長させてくれたんだった。あのまま帰国してアメリカにとどまっていたら今ごろ何をしているだろうか?想像しても想像しきれない。

その日、ワシントン発シカゴ行きの夜行アムトラックに乗るため、幾週間ぶりにフィラデルフィア駅に僕はいた。バーバラは発車間際までずっと一緒にいてくれた。別れ際、長い長い抱擁とさよならのkissをした。まるで親子のように…。涙を流すバーバラに僕も目頭が熱くなりどんどん涙が流れた。最後の言葉は「また戻ってきなさい」みたいな言葉だったと思う…。

あれから約10年。それ以来、彼女とはcardのやりとりはあるが、会えれていない。バーバラ、今でもあのときのことしっかり覚えているよ。そしていつまでもあなたのことは忘れないよ。




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